2007年1-12月分

大相撲の14日目、最後の2番を見た。明日の優勝戦の対戦相手が、これで決まる。対戦相手
とは、もちろん白鵬と朝青龍だ。まず白鵬が勝ち残った。次に、定石とおり、朝青龍が勝ち残っ
た。これで明日の千秋楽、優勝戦は両横綱同士の対戦だ。二人ともモンゴル出身の力士で、
日本人力士ではないだけに、少々寂しい気もするが、かつてあの人気のあった小錦の時代に
日本人でないからという理由で、横綱昇進が認められなかったことを思うと、外人力士に門戸
が開かれたのは隔世の感がする。
だが、もともと、相撲興行に、純血主義は無縁だった。今では国技とされるが、室町時代に興行
化された相撲は、見世物の要素が大であった。並外れた体格・体力があれば、品格や格式は
問題ではなかったらしい。当時の人々にとってのカタルシスの対象で、それは力士の名前をシ
コナ、漢字では醜名と書くことにも現れている。室町時代は、世界史的には、大航海の時代。
洋の東西が入り混じる、世界的再編の時代だ。相撲以外の芸能も、この時代あたりに端を発し
ているのが興味深い。
純血主義や、品格・格式を考え直す意味で、私は大いに外人力士に期待したい。

今週は、アメリカの株の大暴落が、世界を揺るがした。すかさず、アメリカ政府はプライムレート
を0.75%引き下げて、底支えの手を打った。政策決定のすばやさには驚かされる。おかげで、不
安を残しつつも、小康状態を保っている。驚くべきは、日本政府の対応だ。福田首相といい、日銀
の総裁といい、ただ傍観するだけで、何の対応策も示さない。それどころか、つい先日まで、政府
と日銀は利上げを画策していた。さすがに、事がここに及んでは、据え置きと言うことに落ち着い
たが、現状認識の甘さに、私は愕然とする。世界第2位の国力を誇っていた日本が、いまや先進
国の中で最下位に落ちてしまったのは、まさしく歴代内閣の、この無策のせいだ。
無策と言えば、田中角栄時代に始まった道路特定財源確保のためのガソリン税の臨時措置が
いまだに続いているのも、不可解のきわみだ。しかも、実はこの金で、道路だけではなく、建設
にたずさわる役人の住宅や野球のバット、ボールまで支出しているという。そしてまだ使い切れな
い金が、余剰金として毎年余っている。空いた口がふさがらないというのは、このことだ。即刻廃止
して、必要な金は本予算に組むのが筋だ。この常識が、政界ではなぜ通用しないのか。ほんとう
の改革をめざす政治家は、いないのだろうか。

2005年1-12月分
2004年6-12月分

2008年1月

大阪府知事選で、タレントで弁護士の橋下氏が、次点で民主推薦の熊谷氏に、2倍の票を集め
て、圧勝した。私としては意外だった。大阪人は、かつての横山ノック知事の醜態で、タレント知
事にはNOと言うと思っていたからだ。民主党に対する追い風も、タレント人気には及ばなかっ
た。これで、大阪は、所詮お笑いだけの町と思われるのは、とても悲しい。
選挙戦を通じて「大阪の活性化」を訴えていた彼だが、どうすれば活性化するのかについては、
とうとう聞くことが出来なかった。海千山千の府議会を相手に38歳の新知事が、手腕を発揮でき
るのか、これはお笑いの問題ではない。府庁の幹部職員にとって「やりやすい知事」という評価
だけは、もらってほしくない。5兆円とも6兆円ともいわれる巨額の累積債務を解消するには、安
易な妥協は出来ないはずだ。



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お叱りのお言葉,ご意見など
画廊主
   の
独り言

このページは、天野画廊の画廊主・天野和夫の、きわめて個人的な出来事を綴ったものです。
画廊の仕事が、一見個人的であるにもかかわらず、社会的な機能を果たしているありさまを、
おわかりいただけるかと思います。
自他ともに、プライバシーには慎重に配慮いたしますが、うっかりと逸脱している場合は、すみ
やかにお叱りのお言葉をお願い申し上げます。                天野画廊 天野和夫

またか、タレント知事

1月28日

相撲に思う

1月26日

Japan as the last
runner


1月25日

2006年1-12月分

テレビ朝日の昼の番組で、民主党の小沢代表が出演していた。昼は芸能ネタや事件ものが多
いのが普通だが、それだけ春にも予想される総選挙が身近になったということだろう。開口一番
ガソリン税の問題にコメントがあった。暫定税率を廃止すれば、ガソリン価格が25円下がる。ガ
ソリンの価格は、物価への影響が大きいので、物価の安定の観点では大歓迎だ。自民党なら
ず、公明党までもが、この施策に否定的な理由がわからない。ただ一つ言えるのは、政権にあ
ぐらをかいてきたので、動脈硬化をおこしているのだろう。国民は、とっくにそれを見抜いている。
だから、最新の世論調査では、はじめて民主党への支持率が、自民党を上回った。このまま
テロ特別措置法の成立に走れば、民意はますます離反する。
いよいよ、民主党の登場を待つばかりだが、テレビの画面の中の小沢代表を見ていて、気にな
ることがある。硬派のイメージを考慮してか、やたら笑顔を作ろうとする。見ていて、とても不自
然だ。芸能人ではないのだから、もう少しきりっとしていていいのではないか。この際、イメージ
よりも政策に期待したい。
年末にコンビにで、178円で買えた食パンが,、昨日買うと199円だった。これは明らかに政治的
無策のツケだ。

小沢代表のスマイル

1月7日

大阪府知事選の公示により、いといよ選挙戦が始まった。見どころは、なんといっても自・公と
民主の対決だ。自・公は、国政への影響を恐れてか、橋下氏に対しては、党としての推薦では
なくて、大阪府の自民本部・公明本部に推薦にとどまっている。民主推薦の熊谷氏は、党中央
の推薦を受けている。たたかう前から及び腰の自・公を見ると、勝負はもう見えている。
熊谷氏の抱負の中で、興味深いのは、大阪市との連携を強化しようと考えていることだ。ずいぶ
ん前から、市と府の仲の悪いのは有名で、似たような事業を、別々にやったり、重複するところ
が多い。歩み寄って調整するだけで、かなりの節約になる。
十数年前に、大阪港に残る古い赤レンガの倉庫群があって、市は、ここを新たな文化発信の基
地として整備しようとしたことがある。その向かいに、大きな住友倉庫があって、そこは府が目を
つけて、官民共同で中規模ギャラリーとして、再オープンさせた。市と府が計画をすり合わせて
開発プログラムを組めば、かなりの相乗効果があったに違いない。だが、お互いにバラバラに
計画をすすめ、市が先行してNPOやギャラリーを誘致、あとから府が大きな倉庫を「海岸通りギ
ャラリー」に改装した。向かい同士なのに、共同のプロジェクトは一度も行われずに、やがて市・
府の財政赤字のツケで、まず赤レンガ倉庫群が、元の廃墟に戻り、「海岸通ギャラリー」からも
府は撤収した。双方の協力があれば、いまごろは立派な文化発信基地に育っていただろうに、
とても惜しまれる。

知事選はじまる

1月10日

2008年2月分
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