11月分

このページは、天野画廊の画廊主・天野和夫の、きわめて個人的な出来事を綴ったものです。
画廊の仕事が、一見個人的であるにもかかわらず、社会的な機能を果たしているありさまを、
おわかりいただけるかと思います。
自他ともに、プライバシーには慎重に配慮いたしますが、うっかりと逸脱している場合は、すみ
やかにお叱りのお言葉をお願い申し上げます。                天野画廊 天野和夫

画廊主
   の
独り言
お叱りのお言葉,ご意見など
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12月分

年末年始のテレビ番組を見ていたら、芸能人に混じって何度となく女性占い師Hが出演していた。
業界でもトップクラスの人気者、いわばカリスマ占い師のようだが、とても気になる事があった。
「墓参りは供養にために行くのであって、願い事をするために行くのではない。」とか、「お賽銭は、
紙に包んで奉納するもので、裸のままじゃいけない。」とか、要は真心を込めて礼を尽くす事が肝
心という発言には、なるほどと思ったが、そのあとでテレビ局の男性アナウンサーを捕まえて、「お
いオッサン!」と呼んでいたのにはビックリ。また、「私を誰だと思ってるの!XXXXですよ!」と叫
んだのにもビックリ。コメディアンを交えてのバラエティー番組だから、それでいいのかもしれない
が、じゃあこの人は占い師でなくてコメディアンなのだろうか。
言えることはただひとつ、「奢れる者久しからず」。新年に自戒を込めて。

おいオッサン!

1月1日

版画家の山本容子が、北浜の三越で個展をしていた。1979年に私の画廊がオープンした時に、
個展をお願いしてから25年が経つ。その間、京都から東京に仕事場を移し、離婚・再婚・再再婚
を経ていまやタレント並みの有名人になった。私の画廊で展覧会をした事のある作家としては、
一番の出世頭だといえる。
期せずして、サイン会が開かれていた。5階でエレベーターを降りたら、すごい人出だった。何人
もの頭越しにちらりと見た山本容子は、ほどよい白髪交じりで、にこやかにわらいながらサインを
こなすやさしそうな中年おばさんだった。
肝心の作品は、デパートらしく、近作の小品がほとんどで、刷りの手間を短縮して手彩色を施し
たシリーズものが中心だった。作品の出来はそこそこで、ここ十数年変わっていない。
思えば昔から有名人志向で、学生かばんを持ちながら、有名な先生のあとにくっついていた。い
まや本懐を遂げたわけだ。
100人ほどが列を作ってサインを待っているのを横目で見て、「これでいいのだ。」と思った。

これでいいのだ

1月4日

今日は「えべっさん」の日。大阪ではダントツの商売の神様。本家は西宮えびすらしいが、大阪
では、今宮戎が毎年3日間で100万人の参詣客を集める。私の画廊からは、堀川戎が近いので
毎年ここに行くのだが、人に言わせると、ここのえべっさんは貧乏戎だそうな。どうりで画廊が貧
乏しているはずだ。かといって、この冬一番の冷え込みの中、背中を丸めて今宮まで行く元気は
ない。日本には「同病相憐れむ」という言葉もある。まあ長いお付き合いだと思って歩いて5分。今
年も近場で済ませた。そういえば今日は成人の日でもある。本当は15日だが、何年か前から休
日が移動して日・月の連休になることが多い。
画廊もそろそろ活動開始。まずはメールチェックとホームページの更新。少し休むと雑用のなん
と多い事。

近場のえべっさんは
貧乏戎?
1月10日

おかしなメールがよく入る。迷惑メールというには悪質なものがあって、そういうのをSPAMという
のだそうだ。年末にきたのは、外国の宝くじで、5000万円あたりましたからすぐ手続きをしてくだ
さいというもの。英文なので読むにも時間がかかる。おまけにフォーマルな用語が頻繁に出てく
るので、辞書のお世話にもなる。老眼のせいで細かい字は苦手だ。幸い正月で時間もあったの
で、胡散臭いとおもいつつ一通り読み終えた。ああ、これがSPAMメールだと思って、発信元を
Googleで検索したら、私にきたメールと一言一句違わないものを紹介したサイトが、いくつかあ
った。注意しなさい!の但し書き付きで、この発信元が使い分けている何種類ものメールアドレ
スも紹介されていた。
このSPAMメール、問題なのは、賞金を受け取るには手続き費用が850ユーロ(日本円で12万円
くらい?)必要で、振込みが確認されたら賞金を送るというもの。一種の「振り込め詐欺」だ。
英語圏以外の国では、結構被害が出ているものと思う。私の場合1月15日が手続きの期限で
なんとその2日前には振込みを促す電話もかかってきた。中東あたりの訛りのきつい男の声だ
った。ちなみにこの発信元はCISCO GLOBAL NETWORK。ご用心、ご用心。

SPAMメールにご用心

1月16日

今日はイラク全土で選挙が実施される日だ。スンニ派とシーア派の対立で、大規模なテロも予想
されており、自衛隊を派遣している日本も、静観で済まされるわけはない。それ以上に、ここ数年
の日米関係には、不可解な点が多すぎる。いまや日本は、肥大化した官僚機構が費やす膨大な
無駄金と、貯めに貯めこんだドルの挟み撃ちに遭って、自由な予算の裁量が難しくなっている。独
立国が、自分で自由な予算を組めなくなったら、もはや独立国でない。イラクの問題は、その貯め
こんだドルの問題の延長上にある。だから、風が吹いたら桶屋が・・・の論理に近いかもしれないが
私の画廊の問題でもあるのだ。アメリカに気遣って、自由に使えない金を国内で流通させれば、こ
の不景気はすぐさま立ち直る。こんな自明の事を、なぜ誰も言わないのだろう?裸の王様の下僕
を早く卒業しないと、本当に大変なことになる。裸の王様は、まだそれなりに名前を残すが、下僕は
即お払い箱である。拝啓小泉総理大臣殿、汝日本国民の将来をいかに考える也?

イラクの選挙と
裸の王様の下僕


1月30日

仕事柄ほかの画廊を覗くことが多い。私の画廊で展覧会をしたことのある作家が、他の画
廊で発表しているときは、特に気を付けて見るようにしている。作品がどういう風に変わ
ったのか気になるからだ。若い作家の場合は変貌も激しい。こちらのセンスを研く意味も
ある。先日見た作家の作品は残念ながら半年前の発表にくらべていい作品が少なかった。
でも、いいものは2点あって、それが次の仕事につながることが考えられるので、ほめてお
いた。するとどうだろう。半時間後にやってきたお客さんが、まさにその2点を買ってくれ
たという。もちろんそのお客さんと私は、互いに何の面識もない。自分の目の確かさを改
めて認識するとともに、この道30年のキャリアにも一段と磨きがかかった。でも何より一
番いい事は、こうして作家自身が自分の作品の礎を固めてゆく事だ。いかに世の中を知り
得ている人でも、自分のことはわからないもの。だから他人の反応がとても役に立つ。

半時間後、さて?

1月31日

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